オレンジワイン、知っていますか?
この記事は、klis Advent Calendarの12日目の記事です。
こんにちは、klis19のogaです。
しれっとアドカレ更新するけど、今の日にち12月29日でクリスマス余裕で終わってます〜〜
まあ、理由はお察しください。
Advent Calendarに参加するのは2年目になります。去年の記事も貼っとくので興味のある方はどうぞ(本当にただの駄文です)(宅通とバイトと映画のことを書いてます)
さてさて、今回のアドカレ何を書こうか色々迷いました。自分語りもしたいし、好きな小説家についても話したいし、料理についても書きたいし・・・いっぱいネタはあるんです。
でもやっぱり、私が今というか大学に入ってから熱中していることについて書かないという選択肢はないだろう、っということでワインについて書きたいと思います。ワインなんて全く興味ねえ〜〜って方はブラウザバックしてください。
でも、ほんの少しでも、米粒一つくらいの気になる気持ちがありましたら、少しお付き合いください。(心の声:布教させてくれ)
オレンジワインとは
みなさん、オレンジワインって知っていますか??言葉だけは聞いたことあるでしょうか・・・?正直、言葉だけでも知っていたら私は大喜びして語り出します。
オレンジワインって知ってる?と尋ねた時に、返答によくあるのが
「フルーツのオレンジで作られたワイン???」
これです。これなんです。知ってる人からすると、実は苦笑いどころか半笑いしちゃうレベルの回答なんです。
この記事を読んだ方は、間違っても二度とこのような返しをしないでくださいね。
はい、それでオレンジワインってなんぞやと言いますと、
白ワインを赤ワインの醸造方法で造ったワイン
です。正直、この説明で分からないと思います。なのでじっくりざっくり説明します。!
そもそも白・赤ワインの作り方の違いについてみてみましょう。
端的に言ってしまえば、
白ワイン:白ブドウを果皮・種を取り除いて発酵させる
赤ワイン:黒ブドウを果皮・種を取り除かずに発酵させる
(ついでに、ロゼワイン:黒ブドウを白ワインの製造方法、つまり黒ブドウを果皮を取り除いて発酵させたもの。ピンク色が特徴。)
そして、オレンジワインとは、
白ブドウを赤ワインの製法で作る=白ブドウの果皮・種を発酵させる。色はオレンジ。
このようなワインなのです。
(白ブドウを赤ワインの製法で造る=果皮を漬け込むことによって果皮の色が滲み出るので液体が白からオレンジ色に色づくのです・・・)
オレンジワインの味わいの魅力
さて、オレンジワインがどのようなものかはなんとな〜く把握していただけたと思います。そんなオレンジワインの魅力ってなんだ??少し製法の違うワインなだけではないか?と思う人が多いと思います。
結論から言ってしまえば、そんなことは全くないのです。オレンジワインにはオレンジワインの魅力が120%詰まっているのです!!
オレンジワインの色や濃淡は、ブドウの種類、ヴィンテージの特徴、収穫時期、ワインの醸造法で変わります。その組み合わせにより、果皮ごと発酵させたワインは、黄金色、ピンクがかった灰色、オレンジ色、琥珀色、黄土色など様々な色になる。
上質のオレンジワインを造るためには、ブドウの皮に、質、量ともに優れた成分を含まねばならない。そのためには、有機農法やビオディナミにより手をかけて丁寧にブドウを栽培することが必須である。
オレンジワインを語る上で切り離せないのが、自然派ワインというものです。自然派ワインもオレンジワインと同様にはっきりとした定義づけがなされていないのですが、すご〜く大ざっぱに説明しますと、有機農法・ビオディナミ方法などブドウを栽培する際になるべく薬品や人の手を入れないで作られたブドウで醸造されたワインのことを指します。(これはこれで語ると長くなるのでこの辺で・・・)ある自然派のワイナリーでは、10haに及ぶ畑のブドウを人の手で一粒ずつ収穫するという狂気の沙汰を行なっていたり、満月の夜にしかボトリングをしなかったりなど、自然に最大限の敬意を払って造っています。そして丁寧にブドウを栽培し、毎年ブドウの特徴を見極め発酵の日数や澱引きして酸化させるかなどの醸造過程の判断をしてワインが造られていくのです。
さてさて話は戻りまして、オレンジワインの味わいは、白・赤・ロゼワインにはないものがあります。これはもうオレンジワインを飲んでもらうのが一番早いです。今まで感じたことのない味わいが広がるでしょう。ですが、「とりあえず飲め」と言ってしまえばそれまでです。何のために私がこの文章を書いているのかとなってしまいますので、 とあるワインのレビューを見てみましょう。
色は綺麗な琥珀色。店の照明が入り込んで反射して、内側に何かを秘めているかのように輝いているのが美しい。
美しく光るオレンジを目下に見ながら、グラスを顔に近づけるとフワッと柑橘系の爽やかさとアプリコットのような甘さ、優しくどこか艶かしさすら感じられる極上の香りが香ってくる。これだけでも、途轍もない幸福感が感じられる。口に含むと、優しく広がる味わい。口当たりがとても柔らかく、丸い酸味が心地よい。だけれども果皮を漬け込んだことによって滲み出たタンニンのおかげか、奥の方でしっかり軸があるような力強い深みも感じられる。身体に自然なほど馴染むような優しさと、圧倒的旨みを持ち合わせているワイン。
(少し文学チックに、オレンジワインの良さを前面に押し出して書いてみました。文才が無いのに調子乗ってすみません)
全てのオレンジワインが上記のような香りと味を持つわけではもちろんありません。あるオレンジワインは、まるで蜂蜜のような甘い優美な香りがしたり、タンニンがしっかり聞いた渋さを感じながらもミネラル感で溢れている味をもっていたりと、オレンジワインは味わいの多様性は他のワインと比べ物にならないと個人的には思います。
そう、オレンジワインは奥が深いのです。
異常なまでの高い香りや、言語化が困難なほどの味の複雑性を持ち合わせているオレンジワインって素敵ではありませんか??
オレンジワインを味わった時の圧倒的なまでの幸福感をぜひ体験してもらいたいものです。
オレンジワインの歴史的側面の魅力
オレンジワインの歴史にも、その魅力はあります。
ですが、物凄くややこしく、ありえないほどに長くなってしまいますので手短に書かせてください。
(来年のアドカレをこのテーマでがっつり書こうかな〜)
オレンジワインの醸造法を行なっているワイナリーは、昔は今よりも多くありました。それはその作り方が、その土地の伝統的なワインの作り方であったからであり、オレンジワインが流行っていたというよりは、それがごく普通の当たり前のワインだったからです。
ですが、その文化は二度の世界大戦によって壊されてしまいました。ブドウ畑は焼け、醸造方法・生産量・資金は国に管理され、それはもうワインを作るような環境ではなくなってしまったのです。家系的に代々受け継がれてきた、醸造法や知識の伝統も設備も途切れてしまったことで、オレンジワインは消滅しました。
ですが、オレンジワイン復活の先導したとも言える、ヨスコ・グラヴネル氏とスタンコ・ラディコン氏に始まり徐々にオレンジワインを造る生産者が増え、その知名度と素晴らしさは広まっていきました。
一度消滅したものが、とあるイタリアの地方を起点に世界に復活を果たした・・・
オレンジワインには、少し感動してしまうような歴史があることも私は魅力に思います。
オレンジワインの復活には、並々ならない生産者らの努力があって、それを是非ともご紹介したいのですがとてつもなく長くなってしまいますので、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。(泣)
最後に
オレンジワインの魅力をお伝えすることはできたでしょうか・・・
ワインはブドウを使って造られていますから、人間の手ではどうにもできない気候というものに大きく左右されてしまいます。それでも、毎年造り手らは自分のブドウと向き合い、自分が求める理想のワインを追い求めて試行錯誤して素晴らしいワインが生まれます。それってなんか感動的じゃないですか。だから私はワインが好きです。ワインの造り手らの姿勢が大好きなんです。
オレンジワインを飲んだことがない方は、ぜひ一度あの幸福感を体験してください。一度味わったら間違いなく虜になります。
P.S.
ここまで書いてきて思ったんですけど、まるでklis関係ないお話でした。
でも、大好きな物や事って色んな人に知ってほしいですよね。布教したくなりますよね。klisには布教好き・布教しがちなオタクが多いので良しとして下さい。私もそのうちの一人です。
好きなことを好きなだけ語るって楽しいですね、ということで長々と読んで下さった方ありがとうございます。ぜひ、年末年始にオレンジワインを。では、良いお年を〜
*1:『オレンジワイン 復活の軌跡を追え!』著:サイモン・J・ウルフ 訳:葉山考太郎